腱鞘炎とばね指について

腱は筋肉の両端に存在し、骨に筋肉を付着させる働きがあります。

腱鞘は腱を包み込んでいる組織で、腱が滑らかに動くようにする働きがあります。

指や手首の使い過ぎなどにより、この腱と腱鞘との間で摩擦が生じて炎症がおこり、痛みや可動域制限を伴う疾患を腱鞘炎といいます。

腱鞘炎の症状が進行すると、トンネルの部分である腱鞘が肥厚して狭くなったり、中を通る腱の一部が腫れたりします。

その結果、指を曲げ伸ばしする際に腱が腱鞘に引っかかり、動かなくなることがあります。

指が曲がった状態から元に戻らなくなり、無理に力を入れて戻そうとするとばねのように跳ねて戻ることから、この状態をばね指といいます。

ばね指は女性に多くみられる疾患です。

妊娠・出産期に多く分泌されるホルモンが腱鞘を収縮させる作用があったり、腱の柔軟性に関わるホルモンが閉経後に減少することが原因と考えられています。

またばね指は腱鞘炎と同様に、指や手首を酷使する仕事やスポーツをされている方（ギタリスト、ピアニスト、テニスプレーヤーなど）に多くみられます。

近年ではデスクワークによるパソコンのキーボード操作や、スマートフォンの使い過ぎによる腱鞘炎やばね指が増加しています。

一般的に腱鞘炎やばね指の治療はマッサージやストレッチ、電気療法や超音波治療などが局所的に行われます。

軽度な症状であれば徐々に改善していきますが、悪化すると手術が必要になったり、再発を繰り返す可能性もあります。

腱鞘炎やばね指の治療において大切なことは、指に負担がかかる原因となっている筋肉を見つけ出し的確にアプローチすることです。

症状の原因が必ずしも腕回りにあるわけではなく、肩甲骨や骨盤、下半身の筋肉の状態もチェックする必要があります。

中々改善しない腱鞘炎・ばね指でお悩みの方は是非ご相談ください。